Scratchの始め方

今回は、プログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」を使ってプログラミングを始める方法について説明します。細かいことはさて置き、とりあえずやってみましょう!

Scratchって何?という方は、こちらの記事をどうぞ。

プログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」の紹介 - CoderDojo 和歌山

Scratchを始める

まずScratchのウェブサイトにアクセスして、ユーザー登録を行う必要があります(2.0の場合)。

scratch.mit.edu

プレビューは英語ですが、アクセスすれば日本語で表示されます。安心してください(^_^)

Scratchには大きくわけてふたつのバージョンが存在します。インターネットに接続しなくてもプログラミングできるScratch 1.4と、ウェブブラウザ上でプログラミングできるScratch 2.0です。今回は、より簡単にプログラミングを始められるScratch 2.0を使ってプログラムを作っていきます。できれば一緒に手を動かしてみてくださいね。

Scratchへのユーザー登録

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右上にある「Scratchに参加しよう」のボタンをクリックしてください。ユーザー登録の画面に移動します。

 

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最初に、ユーザーアカウントを設定します。「Scratchで使うユーザー名を入力」の欄に、ローマ字と数字で使いたいユーザー名を入力します。使いたいユーザー名が既に使われている場合には、別の名前を考えてください。

「パスワードを入力」では、ログインする時に必要となるログインパスワードを設定します。パスワードは忘れないようにメモしておくか、ブラウザに覚えてもらいます。パスワードは誰にも見られないように大切に保管してください。「新しいパスワード(確認用)」には、設定したパスワードをもう一度入力します。

 

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アカウントが作成できたら、ユーザー名とパスワードを使ってScratchにログインするので、忘れないようにしてください!

ずっと使う名前なので、よく確認してくださいね。では、「次へ」のボタンを押して進みます。

 

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次の画面では、簡単なプロフィールを登録します。ここで入力した情報は、どんな人がScratchを使っているかを把握するために用いられ、公開はされませんので安心してください。「国」は、日本に住んでいれば「Japan」を選択します。

 

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最後に、メールアドレスを入力します。子どもさんのアカウントを作成する場合、「電子メールアドレス」は保護者のメールアドレスを登録した方が良いと思います。もし、パスワードを忘れた場合、ここで登録したメールアドレスにパスワードリセット用のメールが届きます。

「次へ」を押すとユーザー登録が完了します。電子メールアドレスに誤りがないことを良く確認してから、「次へ」を押しましょう。

 

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これでアカウントの作成は完了しました。「さあ、はじめよう!」のボタンを押して、いよいよプログラムの作成に取り掛かります。

Scratchで初めてのプログラミング

これで、Scratchを使ってプログラムを作る準備が整いました。早速簡単なプログラムを作ってみたいと思います。

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Scratchのウェブサイトのトップページ左上にある「作る」ボタンをクリックします。クリックすると以下のような画面に移動して、プログラミングができるようになります。

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それでは実際にプログラムを作ってみることにします。

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「10歩動かす」のブロックをクリックします。ステージのネコが10歩(ドット)動きます。どんどんクリックしてみます。

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画面の端まで移動できました。戻すときは猫をドラッグ&ドロップで戻すことができます。これでも猫を動かしたことになりますが、指が疲れるのでプログラムでやってみます。

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制御カテゴリーをクリックし、「ずっと」のブロックをスクリプトエリアにドラッグ&ドロップします。次に動きカテゴリーに戻り、「10歩動かす」のブロックを「ずっと」ブロックではさみます。(近づけるとC字型の口の部分が白く光ります。)「ずっと」をクリックすると、ネコが自動的に動いて画面からいなくなります。尻尾をドラッグして戻しても、またすぐに動き出します。

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このままでは猫が暴走したままですので、一回止めます。プログラムをストップする時は、上の赤信号のようなボタンを押します。これでプログラムのすべての動作が止まります。赤いボタンが止まれなら、隣の緑の旗ボタンは進めのような気がしますね。でも、クリックしても何も起こりませんね。

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「旗がクリックされたとき」ブロックを「ずっと」の上につなげます。これで旗をクリックするとネコが自動で動き、赤信号をクリックすると止まるようになりました。ぐっとプログラムらしくなりましたね。

 今、端に行った猫はマウスで動かさない限り端で止まっています。今度はこれを自動で跳ね返ってくるようにしたいと思います。

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どうですか?跳ね返るようにはなりましたが、今度は逆さに戻ってきちゃいましたね。次はこれを直します。

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スプライト領域の猫の左上に、iのマークがついてます。これをクリックします。

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「回転の種類」を左右のみに変更します。これでバッチリ!と言いたいところですが、少し物足りないですね。猫がスケートのように滑ってますし、左右にしか動かないのも面白みがないです。

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猫のグラフィックを変更する時は、コスチュームタブをクリックします。自分で一から作ることもできますが、今回はあらかじめ入っている画像を使います。ちょうど足を閉じたり開いたりしてますね。うまく使えば歩いているように見えそうです。

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スクリプトタブに戻り、見た目カテゴリーから「次のコスチュームにする」をドラッグ&ドロップし、「ずっと」ブロックの中にはさみます。ついでに、左のスプライト領域の向きを90°(-90°)以外に変えてみます。○に刺さった棒の部分をドラッグして変更します。

緑の旗をクリックしてプログラムを実行します。どうでしょうか?ステージを所狭しと走り回る元気な猫ができましたか?

今回は一番最初ということでステップを一つずつ説明しましたが、簡単にプログラミングができることが体感してもらえたでしょうか?皆さんもぜひ一度挑戦してみてくださいね。

 今回作成したサンプルプログラムです。

プログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」の紹介

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プログラミング言語Scratch(スクラッチ」について、簡単に紹介したいと思います。

 

Scratchとは何か

 Scratchは、MITメディアラボのライフロングキンダーガーテングループというところが開発しているプログラミング言語です。世界中で、子供達を中心に多くの人がScratchを使ったプログラミングを楽しんでいます。また、Scratchは全て無償で利用することができます。

Scratchを開発しているライフロングキンダーガーデングループのミッションは、「クリエイティブな考え方のできる子供を育てること」でだそうです。

Our ultimate goal is a world full of playfully creative people who are constantly inventing new opportunities for themselves and their communities.

-私たちの究極の目標は、自分自身や地域社会のために絶えず新しい機会を創造している遊び心のある創造的な人々でいっぱいの世界です。

 Scratchではプログラミングをやったことのない子供でも、楽しくプログラミングができるよう、マウスを使ってレゴブロックを組み合わせるようにプログラムを作ることを目的として開発されました。

「子供でも使える」と聞くと、大したことはできないんじゃないか、と思われるかもしれませんが、ゲームやワープロ、ペイントツールなど、どんなアプリでも作ることができます。リンク先のサイトでは、すごい作品が紹介されています。きっと皆さんの想像を越えるハイクオリティな作品に驚かれることと思います。

plus.appgiga.jp

 Scratchの特徴

Scratchでは、レゴブロックを組み合わせるような感覚でプログラミングができます。細かな決まりをたくさん覚えて、真っ黒い画面にキーボードからポチポチと謎の英単語や数字を打ち込むのではなく、直感的な操作でプログラミングをしていく、「ビジュアルプログラミング言語」の呼ばれるプログラミング言語の一つです。

ビジュアルプログラミング言語では、画面上のブロックをマウスで組み合わせてプログラムを作っていきます。文法などを覚えなくても、どんどん作っていくことができるので、プログラミングをすぐに楽しめることができる、というのが大きな特徴です。

さらにScratchはバージョン2.0からWeb上で動くようになり、ソフトのダウンロードが不要となりました。インターネットにつながる環境さえあれば、誰でも手軽に、思い立ったらすぐにプログラミングを始めることができます。

また、Scratchでは完成したプログラムをウェブ上で公開することができます(公開しないこともできます)。また、他の人が公開しているプログラムの中身を見ることもできるので、分からないところがあっても、真似をしながらプログラミングを学ぶことができます。

さらに、Scratchには「リミックス」という機能があり、他の人が作ったプログラムを元に自由に改造することができます。改造したプログラムを公開することで、より多くの人がヒントを得てお互いに学びを深めることができます。

 Scratchを始めよう!

プログラミングをやったことのない人でも、すぐにScratchを使ってプログラミングできるようになります。こちらでScratchの始め方を書きましたので、ぜひ一度チャレンジしてみてください!

Scratchの始め方 - CoderDojo 和歌山

何か参考にする書籍をお探しなら、MITメディアラボのレズニック教授が推薦している、「小学生からはじめるわくわくプログラミング」の1と2がお勧めです。和歌山市図書館、和歌山県図書館のどちらにも蔵書があります。

 

小学生からはじめるわくわくプログラミング

小学生からはじめるわくわくプログラミング

 

 

小学生からはじめるわくわくプログラミング2

小学生からはじめるわくわくプログラミング2

 

 

 

ボランティアスタッフ(メンター)募集!

CoderDojo 和歌山では、一緒に活動するボランティアスタッフ(メンター)を随時募集しています!

メンターとは?

 メンターは助言者を意味し、CoderDojoでは忍者(参加する子どもたち)の良き理解者・指導者です。CoderDojoでのメンターと忍者は先生と生徒、といった関係ではなく、対話によって子どもたちに気づきや助言を与え、自発的な成長を見守るという関係になります。
 「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」という言葉があります。メンターになる皆様には、「本当に相手のためには何が1番か?」ということを考えて頂ければと思います。答えを知っているからこそ、子どもたちのコーディングにモヤモヤむずむずする場面も多いと思いますが、答えを教えるのではなく、グッと堪えて子どもたちが自ら学ぶ機会を守ってほしいと考えています。

資格は必要?

 メンターになるのに、資格は必要ありません。情報処理○級や、教員免許もいりません。また、年齢・性別も問いません。
 子どもたちにプログラミングを教える以外にも、広報・事務・会場準備等もあるため、プログラミングが出来ない方も大歓迎です!
 エンジニアの方はもちろんの事、プログラミングを通じて子どもたちや、様々な方と交流したい全ての方のご参加をお待ちしています。必要なのはやってみたいと思う気持ちです。ぜひ私たちと第一歩を踏み出しませんか?

coderdojo.wakayama@gmail.comまで、お気軽にお問い合わせください。

もし、興味を持っていただけましたら、説明会とプログラミングの体験会を予定しています。

CoderDojo 和歌山 開設のご挨拶

みなさま初めまして。CoderDojo和歌山は和歌山市内を中心に、子どもたちのプログラミング活動をサポートするコミュニティです。以後よろしくお願いします。

 

CoderDojoとは

CoderDojo は7〜17歳の子どもを対象にしたプログラミング道場です。2011年にアイルランドで始まり、世界では63カ国・1,000の道場、日本では全国に50以上の道場があります (2016年9月現在)。

各道場では、主に次のような内容を教えています。

  • Scratch (ブロックを組合わせて簡単プログラミング)
  • HTML / CSS / JavaScript などを活用したWEBサイト作成
  • Arduinoなどの電子工作と組合わせたプログラミング、など

各道場で教えられる内容はそれぞれ異なりますが、CoderDojo の雰囲気は一様です。「どんな雰囲気か知りたい」という方は、CoderDojo 八王子・さいたま・小平のガイダンスで使われている次のスライド資料をご参考にしてください。

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 代表挨拶

 エンジニアでもない自分がこのような立場に立つことはふさわしくないかもしれませんが、先行してCoderDojoを運営している皆様を始め、多くの方から温かい励ましや後押しを頂き、今回自分にとって大きなチャレンジをさせていただくことになりました。
 和歌山で育つ一人でも多くの子どもたちに、プログラミングに触れる機会を提供したいと考えています。世間では、AIに仕事を奪われるといったニュースや、小学生からプログラミング教育が必修化するという話もあって、子どもたちにどんな力をつけてあげれば良いのかとお悩みの方もおられると思いますが、CoderDojoに参加することでプログラミングを通じてコンピュータへの理解や、同じCoderDojoで過ごす大人や子どもたちとの交流が参加する全ての人にとってより良いものになるよう活動していきますので、応援よろしくお願いします。

CoderDojo 和歌山 代表 西岡 純生
 

*1:CoderDojo Japanより引用